6名の中には当時コンビニエンスストアのMにおり、現在は新設されたグループIT戦略担当役員に就任した者もいる。
ほかの者も皆、現在のIOを支える幹部として重要な働きをしている。
この6名のメンバーに加えて、野村総合研究所がコンサルティング会社として参加してチームは万全の陳容がしかれた。
そしてそんな精鋭たちのチームリーダーに任命されたのが、入社9年目、当時36歳のO,M(現社長)だった。
当時、21世紀ビジョンの策定という大きなテーマに取り組んだ背景には、1970年にO、F、Sの3社合併によって誕生したJSCが1990年に創業20年の節目を迎えようとしていたことが挙げられる。
企業の寿命は20年と言われており、IOは変革が求められる、非常に大切な節目の時期に立っていたと言えよう。
しかも今後予想される欧米大手外資の日本進出に備えなければならないという新たな状況もあった。
IOが今から15年も前に、21世紀のビジョン構築の必要性を認識していたのは驚きだ。
日本の小売業界において、このような作業を行なった例はほとんど聞かない。
ライバルと目されるITYはこのような作業をしているのだろうか。
このことはIOの先見性と時代認識を表わしている。
このプロジェクトのチームリーダーに、当時36歳のO田現社長が指名されたことの意味も大きい。
なぜなら21世紀ビジョンの策定プロジェクトこそが、現在進行しているIOの企業変革の原点であるからだ。
IOの21世紀の経営を担うO田社長自身が、その中心的な立場に立って関わってきたのは強みだ。
そういう意味では、IOの企業変革は、スタッフが策定したプランではなく、経営責任者である社長自身が関わった一大プロジェクトであると言える。
当時まだ取締役にも就任していないO,Mをこのプロジェクトチームのリーダーに指名した背景には、父親で、当時の社長であるO,T名誉会長が将来の後継者に対して、「経営責任者の立場で自分自身の課題として21世紀ビジョンを考えろ」という後継者教育の意図があったことがうかがわれる。
21世紀ビジョンの策定作業が始まった2年後の1989年9月、グループ名をIOと命名して、IOグループが発足した。
この結果ゆるやかな連帯をキーワードとするJSCを2010年ビジョンプロジェクトの名称が、最初の「21世紀ビジョン」から、「2010年ビジョン」に変わったことが示しているように、このプロジェクトの課題は、2010年という、より具体的な設定期間における事業戦略の構築となった。
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